Kaizen PlatformでSRE Group Managerをしている前田 (@glidenote)です。4月ということで転職や部署異動など新しい環境で働いている人が多そうなので、今回はKaizen PlatformのEngineering GroupとSRE Groupが行っているOnboardingプロセスを紹介したいと思います。
TL;DR
- Kaizen Platformに入社してくれた人に最速でPerformanceを出してもらうためにOnboardingプロセスを策定し、運用、日々改善している
- 入社してくれた人が自身のOnboarding Planを自分で作成し、CTO、メンターとで定期的に期待値の調整、振り返りを実施し、齟齬が発生しないようにする
- ランチスケジュールを組み毎日別々の人と、別々の場所にランチに行き、一緒に働く人たちとオフィス周辺の情報を知ってもらう
- 入社した人に「自分を知ってもらう努力」をしてもらう
背景
Kaizen Platformは創業時(2013年頃)から決まったOnboardingプロセスが特に存在せず、新しく入社した人がパフォーマンスを発揮するようになるまでに時間がかかっていたため、1年前(2017年前半)からEngineering GroupとSRE GroupではOnboardingプロセスを策定し、運用、改善している。
Onboardingとは
オンボーディングとは、組織やサービスに新たに加入した人に手ほどきを行い、慣れさせること。
Onboardingプロセスの流れ
- 下記は入社前から入社3ヶ月後までのOnboardingプロセスの流れです。
- 期待値の調整、振り返り、コミュニケーションの機会を増やし、誤解が発生せず、気持ちよく働ける状態に持って行くことが狙いです
- 下記の共有のもの以外に、メンターの裁量でdailyやbi-weeklyなどの1on1などが設定されています
時期 | やること | 担当 | 備考 |
---|---|---|---|
offer時 | 期待値の設定&すり合わせ | CTO | |
入社前 | メンターの決定 | CTO | |
入社前 | メンターとの期待値共有 | CTO & メンター | |
入社前後 | 各種MTGへの招待 | メンター | |
入社前後 | 歓迎会の設定 | メンター | |
入社後1週間以内 | CTOと1on1の設定 | 入社した人 | 会社のことをより知ってもらうため |
入社後1週間以内 | Product責任者と1on1の設定 | 入社した人 | Productのことをより知ってもらうため |
入社後1週間以内 | 自己紹介の記入 | 入社した人 | |
入社後2週間以内 | Onboarding Plan(3ヶ月)の策定 | 入社した人 | Qiita:Teamに書く & メンターはサポートする |
入社後1ヶ月経過後 | 1ヶ月のOnboarding Report(途中経過) | メンター | CTOにメールで提出 |
入社後1ヶ月経過後 | CTOとの「1ヶ月面談」の設定 | 入社した人 | 1ヶ月の振り返り |
入社後2ヶ月経過後 | CTOとの「2ヶ月面談」の設定 | 入社した人 | 2ヶ月の振り返り |
入社後3ヶ月経過後 | 3ヶ月のOnboarding Report | メンター | CTOにメールで提出 |
入社後3ヶ月経過後 | CTOとの「3ヶ月面談」の設定 | 入社した人 | 3ヶ月の振り返り |
入社した人が自身のOnboarding Planを作成する
- 入社した人は下記フォーマットを利用して、自身のOnboarding Planを書いて、全社員が見える場所(Qiita:Team)に投稿する
- Onboarding Planは1ヶ月おきに振り返り(Onboarding Report)を実施し、目標に対してどれくらい達成出来ているか、または出来ていないのかを可視化。
- 目標に対して、どのような登り方をするかなども考えないといけないので思考の訓練にもなります。
## Kaizen Platform で私が目指したいこと xxxx を実現する。 ## 3ヶ月後の目標 1. xxxx できるようにする 2. xxxx できるようにする 3. xxxx できるようにする 目標設定の背景は xxx。 ## 3ヶ月後の目標達成に向けての施策 ### 1. について - 具体的に何をやるか ### 2. について - 具体的に何をやるか ### 3. について - 具体的に何をやるか # 振り返り ## Month 1 TBE ## Month 2 TBE ## Month 3 TBE
毎日違う人、違うお店へランチに行く
- メンターが毎日違う人(以下ランチゲスト)とランチに行くように日程を調整
- ランチゲストの人は、オススメの店にチョイスする。なるべくお店は被らないようにチョイスして貰う
- メンターはランチゲストと行ったお店をまとめてQiita:Teamで管理する
- 追記 休憩時間なので、ランチ同行は強制ではなく任意で行っています
下記は実際のまとめ投稿のスクリーンショットです。
入社した人に「自分を知ってもらう努力」をしてもらう
- 入社した人に「自分を知ってもらう努力」を積極的にしてもらう
- 入社時の自己紹介だけでなく、社内勉強会やMTG、全社合宿などで人前で話す機会を増やし、アピールする場を設ける
- 「自分を知ってもらう努力」とは、筆者の以前の同僚である宮下剛輔さんのインタビューから拝借している金言です
宮下氏は一貫して、「自分を知ってもらえば、周りから来るようになる」というスタンスを取っている。だからこそ、自分を知ってもらう努力を誰よりも大切にしているのだ。
「テクノロジーの話に限らないんですよ。例えば、僕はドクターペッパー大好きっていい続けてきたんです。そうしたら最近、会う人がドクターペッパーを手土産に持ってきてくれるようになってきた。スピーカーとして話すときも、普通は壇上に水が置いてあるところを、ドクターペッパーが置いてあったり。ほかにも、ゲームではメタルギアソリッドシリーズが大好きで、そのことをいい続けていたら、どこどこに等身大の人形があったよとか、サントラが出てるよ、とか。それが自分のブランディングにもなるし、情報も集まってくる」
「当たり前のようですけど、自分の好きなことや、やっていることを生かせる場を、周りが用意してくれるようになるんです。コミュニティじゃなくても、職場の中でもそうですよね。直接、一緒に仕事をしている人しか、自分のしていることって分からないと思うんです。でも、もっと広くアピールしていくと、職場の中でも自分に最適なポジションが来ると思うんですよ」
全員でサポートし、良いチーム作り、良いプロダクトへ
上記のようなOnboradingプロセスは基本的にメンターが中心になって実施していますが、メンター以外のメンバーもOnboardingに積極的に参加し、より良いチーム作りをし、良いプロダクトを生み出すことを目指しています。