Kaizen Platform で プロダクトマネージャーをしている河部です。今回は先日リリースされた Kaizen Cloud Engine がどのようにできているのかをご紹介したいと思います。
Kaizen Cloud Engine とは
Kaizen Cloud Engine は、これまでKAIZEN TEAM for Xとして提供させていただいているサービスの裏側で当社メンバーが活用していたシステムをユーザー様にも直接ご利用いただけるようにパッケージングしたものです。
Kaizen Platform、開発者向けパーソナライズ統合開発基盤「Kaizen Cloud Engine」を月額15万円から提供開始
Kaizen Platform と聞くと ABテストのイメージがあるかもしれませんが、最近ではパーソナライズされたWebサイトを構築するサービスとしてご利用いただくケースが大半になっています。
パーソナライズといっても幅が広いのですが、例えば以下のような形でご利用いただいています。
求人検索サイトやレストラン検索サイトで、ユーザーが見ている条件に合わせて地域別・ジャンル別などに絞ったランキング表示ができます。
ユーザーから「自分には関係ない」と思われやすい”全国”ランキングを、ユーザーの興味・関心を基にしたマイクロランキング=「関係のある」コンテンツに変えることは、回遊率向上の効果が見込めます。
開発コンセプト
「かゆいところに手が届く、本気で改善したい人向けの開発基盤」をコンセプトにしています。
開発に至るまでにいくつかのパーソナライズ・Web接客サービスを調査しましたが、GUIは優れているもののそれ故に細かな設定やチューニングができない、といったケースがありました。お客様へヒヤリングした際もそういった声があったため、 Scriptを書けば柔軟に表現力を上げられるようにしています。
その分、学習コストを極力減らすため、世の中にある既存サービスを活用しています。例えば後述の Customer Datastore では、ログを直接見れるよう Google Big Query のコンソールをお客様に開放しています。クエリ画面や独自SQLを用意するのはユーザー様にとっても覚える手間であり(私自身もそう感じたケースが少なくありません)、見慣れた画面でログを触れる方がUXが良いと判断しました。
(仮に Big Query を初めて覚えるにしても、当社でしか使えない仕様を覚えるよりも遥かに有用でしょう笑)
Kaizen Cloud Engine 詳解
Web Plugins
お客様サイト上に設置する JavaScript です。お客様はWebサイトにタグを設置するだけで Kaizen Cloud Engine の利用を開始することができます
- Kaizen Analytics
- Google AnalyticsのようにWebサイト上のユーザーアクティビティを取得します
- 任意の JavaScript コードを実行することもできるので、カスタマイズされたアクティビティログの取得も可能です
- Personalized Content Management System (with AB Test)
- もともと Kaizen Platform が提供していたAB Test の機能を進化させたものです
- ユーザーの属性などによってコンテンツを柔軟に出し分けることが可能です
- もちろん、クラウドソーシング上のクリエイターから募集したデザイン案も表示可能です
Log Management Systems
Web Pluginsから送信されてきたログを処理するシステムです
- Log Manager
- Kaizen Platformのこれまでの技術蓄積を生かした堅牢な Log Manager が高トラフィック環境でも安定してログの処理を行います
- Node.js で動作しています
- Site Script
- ログの加工を行う必要がある場合、ここで任意の処理を JavaScript で実行可能です
Data Management Systems
Log Management Systems で処理されたデータを保存するプライベートDMPの機能を提供します
- Customer Datastore
- Web サイト上の行動ログと、それ以外のあらゆるデータを保存可能なデータウェアハウスを提供します
- Big Query を使用して実現されています
- Data Script
- Web サイト上の行動ログの集計やオフラインデータの取り込みなどを行うスクリプトを作成することができます
- Web サイト上のデータとCSVなどのオフラインデータを結合して新しい集計データを作成することも可能です
Contents Management Systems
作成したデータを元に、どのようなコンテンツをユーザーに表示するかをカスタマイズできるシステムです
- Contents Planner
- どのデザインをどのユーザーにどのくらい表示するか、というコンテンツの配信計画を設定することができます
- AB Test の機能が発展したものになります
- Experience Script
- デザインの表示のカスタマイズを行うためのスクリプトをJavaScript で記載可能です
- より詳細なコンテンツ出し分けを行う際に利用します
今後の開発
今回リリースされた機能は Kaizen Cloud Engine の一部の機能をお客様ご自身でご利用いただけるようにしたものです。今後もご利用いただける機能を拡充し、Web サイトの総合的な開発環境としてご利用いただけるようにしていこうと思っています。