なぜ Kaizen Platform は今、CTOを募集するのか

皆様お久しぶりです。Kaizen PlatformでCTOをやっている渡部(わたべ)です。 Kaizen Platform、新COOに 渡部 拓也 が就任 でアナウンスさせていただきましたが、4/1よりCOO兼CTOに就任しました。

渡部がCTOとしてやってきたこと : Product Delivery

CTO就任 のプレスリリースは約2年前に出ていました。この2年間で何をやってきたのかをちょっとかいつまんで振り返ってみます。

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私が入社した当時、上図のような組織全体を巻き込んだプロダクト改善の動きができていませんでした。この時感じたのは、「これではいくらプロダクトや技術を磨いてもユーザーにプロダクトの価値を届けることができない」という事でした。

そこで、「ユーザーにプロダクトを届ける = Product Deliveryの為にありとあらゆることをやろう」と決めて以下のようなことをしてきました。

商品の整理とマーケットフィットの確認

実際にセールスシートに手を入れたり、お客様先に営業マンと一緒に同行したりして、我々のプロダクトがどのようなユーザーにもとめられていて、彼らが感じてる価値は何なのか? を研究しました。 そしてそれをどのようにしたらマーケットに広く受け入れてもらえるようになるかという試行錯誤を繰り返しました。

マーケットからのフィードバックを活かしたプロダクト開発への変化

ウォルト・ディズニーは以下のように言ったそうです。

「自分たちのために商品をつくってはいけません。人々が求めているものを知って、人々のために商品をつくりなさい。」

ゆっくりとではありますが、マーケットが望むものは何かを考えてプロダクトづくりをプロダクトチームみんなで考えるようになっていきました。

ムーンショットを狙わない

皆さんも経験があると思いますが(私もあります)、壮大な構想を描き、「これさえ実現すれば世界が変わる」と信じてものづくりをする。しかし蓋を開けてみると大きな失望が待っていた。こんな経験をされたことはないでしょうか? 当社でも当然そういう失敗をしてきました。

もちろんプロダクトのブループリント(青写真)は大きなものを描きますが、それを実現するために着実に機能をプロダクトに追加していく。そして機能が一定量集まるとそれは「ワークフロー」や「UX」を形成していきます。

インクリメンタルにプロダクトの価値を増やしていき、それがしきい値を超えるとプロダクトの桁が上がる、そんな開発方針に切り替え、それがプロダクトチームに浸透してきました。

組織を作り、チームで対応することができるように

特に、Customer Successのチームで顕著だったのですが、優秀なメンバーが揃っているのですが各自が個人商店のような形で案件に対応していて、当社で提供しているサービスレベルもバラバラでした。

チームで対応していくためには、その土台となる組織を作らなければいけません。 そこで、部長/マネージャーという役職を新設し任用と共に彼らへのマネージメント教育を開始しました。特に、部長職は全社の部長ポストの約半数を渡部が兼務しているという状況だったため、内部からの育成と引き上げを行いました。(現在渡部は一つも部長を兼務していません)

この土台の上で、組織として学習し、サービスのレベルを日々上げていくという事が行われるようになってきました。

なぜCOOに就任するのか

上述のように、CTOの役割を飛び越した活動をこれまで行ってきたのですが、更に以下の領域に力を入れていくべく、COOを兼務させていただくことになりました。

ビジネスモデルのさらなる拡大

プロダクトを改善していく流れを作ることはヨチヨチ歩きながらもできてきたのですが、そこでわかってきたことがあります。 これからさらなるビジネスの機動的な拡大をしようと思うと、

  • 商取引の迅速化、省力化
  • 事業KPIなどのリアルタイムでの計測

などをこれまで以上に拡充さえていく必要があります。 ビジネス上の試行錯誤の回転速度を上げ、さらにその投資の判断を迅速にしていく事が必要になります。 これを実現するためにはプロダクトだけを見ていては実現できないことに気が付きました。

コーポレート部門までを横断したリーダーシップが必要

現在管理会計を刷新するためのプロジェクトに関わっていますが、ここでもいろんな気付きがありました。それは、いろんな問題点は川下である経理や管理会計の集計側で発生するのですが、その発生箇所は川上に存在していることが多いということです。

そこで、事業~プロダクト~コーポレートを横断した形でビジネスモデル拡大のための基盤を整えていこうとおもい、COOに就任することになりました。

なぜ今CTOを募集するのか

まず最初に言っておきますと、Kaizen Platformを辞めるわけではありませんw 私の肩書が「取締役CTO兼執行役員」から「取締役COO&CTO兼執行役員」になるだけです。

2-3年後のKaizen Platformを見据える

2-3年後を見据えると、技術やプロダクトで解決しなければいけない問題の難易度はより上がってくると思います。そうなった時に備えて、社内の技術力やプロダクト開発力はもちろん、それを実現するためのチーム力も今から上げておかないといけません。

それを考えると、COOと兼務してる状態の渡部では十分な貢献ができないかもしれません。 これはいよいよ「CTOとしての自分をクビにする時期が来た」と思いました。

新CTOにもとめるもの

渡部はゼネラリスト型の人間です。新しいCTOの方には技術面に特化したリーダーシップを期待したいとおもいます。

幅広い技術分野への興味と知的好奇心

当社の技術は、

  • React + TypescriptをベースとしたSPA(Single Page Application)
  • RDBを使用するバックエンドはRuby on Railsを中心としたマイクロサービス
  • マイクロサービスの一部はGolangやNode.jsも使用している
  • 機械学習やデータサイエンス領域はpythonをベースとしている
  • インフラはAWSをベースにしつつ一部GCP(Google Cloud Platform)を使用して、すべてがコードで管理されている

と多岐にわたっています。これは「問題の領域毎に最適な解決方法を適用する」ことにこだわる技術者集団だからです。

また、これに加えて Kaizen Platformの2019技術構想 : workplace でも書かせていただきましたが、Platformとしていかに各種サブシステムをうまく設計して技術蓄積していくかというアーキテクト的要素も求められます。

幅広い技術に対して好奇心を持って学び続け、その技術の本質的な理解をすることが好きなエンジニアに向いていると思います。

2-3年先の技術動向を見通す先見性

私がKaizen Platformに入社した時は機械学習周りの要素技術がまさに持て囃されていた時期でした。社内外の非エンジニアな方々には「AIには投資しないの?」とよく聞かれたことを覚えています。

当時私は「(要素技術としてのAIを研究することには)投資しません!」と言い切っていました。 これは、機械学習はいずれ近い内に(私が10年前にオンプレミス環境で使っていたMySQLのように)当たり前の技術要素の一つとして利用されることになると思っていたからです。

もちろん、それを「使いこなせるようになる」ことは必要だと考えていたので社内で勉強会をやったりはしましたが、AI自体を自分で作ることには投資してきませんでした。現在、この選択は正しかったと思っています。Google, Amazon, Microsoftから使いやすいソリューションが出ていますが、プロダクトに組み込むためには「使いこなす」ための技術知識が必要です。

これからも技術の動向は変化し続けるとおもいますが、一歩引いた視点から技術動向を見定めて当社の技術的な投資の方向性を指し示し続けていただきたいと思っています。

若いメンバーも含めて導き成長させることへのモチベーション

私が入社した当時当社は「即戦力なシニアなエンジニアしか採用しない」という方針でしたが、私がその方針を覆しました。今は若手のエンジニアが大変多くなっており、シニアなエンジニアと化学反応をおこしています。

これからも若手がより活躍し、シニアがそこにさらなる厚みを加えるようなチームとして一層の成長をしていきたいと思っています。(エンジニアチームだけではなく全社でそうしたいと思っています) その為にはいろいろと悩むことが多い(だろう)若いメンバーに道を指し示し、彼らの成長をより一層加速させることに喜びを見出すリーダーシップを期待したいと思っています。

ご興味いただけた方は、以下のページよりエントリーをぜひお願いいたします。共に成長し、より良いチームとプロダクトをつくっていきましょう! jobs.lever.co